子供の部活動は、なぜこんなに親の負担が大きいのでしょうか?
進級、進学に伴って、部活動への入部を考える機会が訪れます。部活動は、何かにつけ親の援助、参加が求められます。子供の活動を応援したいという気持ちは、多くの親御さんが持っていると思います。
そうは言っても、活動を支えることが大変なのも事実です。
今回は、子供の部活で大変な思いをしている、悩んでいる方に向けたお話です。
子供の部活動、親の負担
子供の部活動での親の負担、保護者がどんなサポートをするのか、例をご紹介したいと思います。
- 練習試合や試合の送迎
- 場所取り
- お弁当注文
- 役員活動
- 試合後の打ち上げ
練習試合や試合の送迎
中総体などは、学校で送迎バスを出してくれたりします。それ以外は、保護者が送迎するのがほとんどです。部活動によって違いますが、土日には、練習試合や試合があることが多いです。
子供の活動を間近で見れる楽しみはありますが、昨今は共働きが多く、休日に体を休めたり、家事をしたりする時間が削られることにつながります。
場所取り
練習試合や試合時に、生徒が待機する場所や保護者が応援する場所を確保する必要があります。
会場に早く行って場所取りをするのは大変です。特に遠征の時などは、朝早くなります。
お弁当注文
練習試合や試合の時は、早朝に会場に行くため、昼食を準備するのが大変になります。
部活動によっては、お弁当を事前に業者に注文します。こうした係りの仕事もあります。
役員活動
保護者会には、会長や副会長、会計などの役員があります。
やりたい人はあまりいないので、役員決めは大変です。推薦で決まることもありますが、それでも難しい場合は、くじ引きになることもあります。
会長になると、顧問の先生やコーチとのやりとり、保護者へのお知らせなど、様々な仕事があります。これが一番の負担だと思います。
試合後の打ち上げ
大会が終わった後、打ち上げをすることがあります。子供達や保護者同士の親睦を深めることができますが、負担に感じている保護者も多いです。
部活動によって、親の負担は変わる
部活動によって、保護者の負担は違います。学校によって違いますが、文化部や陸上部など練習試合がない部活動は、他校へ出向くことがほとんどありません。
一方で、野球、サッカー、バスケ、剣道などは、練習試合が多いので、他校に行く機会が多くなります。そのため、保護者の支援、サポートが必要になる機会が多くなります。
剣道部はどうだったのか?
息子は、中学時代剣道部でした。剣道の「け」の字も知らない状態で、入部体験に行き、どこが気に入ったのかわかりませんが、友達と一緒に入部しました。
剣道は、お金のかかる部活動です。防具、竹刀、胴着など一式を揃えて10万円ぐらいの初期費用がかかります。どうしても本人がやりたいというので、夫と相談して応援することにしました。
私も主人も剣道部の事を全く知りませんでしたが、入部してから、その大変さがだんだんとわかってきました。

部活動の大変さ
剣道部は、土日は練習試合や大会があります。それは、どの部活に入部してもだいたい同じだと思います。ただ、回数が多くなるにつれて、だんだんと負担に感じるようになりました。
朝は6:30に学校に集合し、防具を持って、練習試合先の学校、体育館、各地の武道館などに出かけていきます。試合の時は、16:30に終了。そらから、学校に防具を置いて帰宅します。
その当時は、仕事をしておりましたので、土日は買い物をしたり、家の掃除をしたりとやらなければいけないことがたくさんありました。
子供が中学生ともなると、働いていないお母さんはほとんどいません。みんな何かしらの仕事をしています。土日が仕事の人でも、試合の度に休みを取って参加していました。大変ですが、それでも何とか頑張っていました。
転機が訪れる
息子が3年生になると、転機が訪れました。部活の顧問の先生が、転任されたのです。そして、新しく赴任されたばかりの先生が顧問になりました。
その先生は、今まで他校で講師をされていて、この学校で本採用になったばかりでした。それがいきなり3年生の担任になり、しかも忙しい剣道部の顧問に就任。はたで聞いていても、大変なプレッシャーだったと思います。
慣れない学校で、本採用になったばかり、しかも3年生の担任です。思うように部活の指導が出来ていないようでした。
そんな状態で春の大会を迎えてしまい、去年は市の秋季大会で優勝していたのが、いきなり3位になってしまいました。
すると、熱心な保護者の方々が先生に意見をするようになりました。
「先生が、忙しくて稽古をつけられないなら、コーチや剣道部のOBと平日の夜も練習をさせたい。」と言い出したのです。
授業が終わって一旦家に帰り、夜になってから学校に行って練習をすることになりました。
その練習に参加する場合は、夜なので送迎をしなければいけません。息子はそれほど強くないので、試合のメンバーには選ばれていませんでした。それでもみんなと行動を共にしなければいけませんでした。
受験生なのに忙しくて、勉強にも身が入らず成績も下がってしまいました。そんな状態が次の試合まで、何日か続きました。正直限界でした。
「早く引退になってくれないかな。」というのが本音でした。
熱心に頑張っている親御さんの前ではそんなことは言えず、ただ時間が過ぎるのを待つばかりでした。
結局、頑張って練習しましたが、思うような結果が出ずに3年生は引退となりました。
その後、1〜2年生の親御さんから、先生に対する不満がつのり、転校するお子さんが出てしまいました。
後から、この事態を聞いて「部活っていったい何なのかな?」と考えさせられました。親は子供の為と思ってやっていますが、果たして「子供の為になったんだろうか?」と疑問に思いました。
部活動をするのは子供達です。親の支えは必要ですが、親が前に出過ぎると問題が大きくなるような気がします。
中学生になったら部活動はやるべきか?
中学校では、ほとんどの生徒は何らかの部活動に入ります。
やりたいことがあるのならやった方がいいと思いますが、特にないなら無理にやる必要はないと思います。中学は勉強が忙しくなるので、部活動をやっていると勉強をする時間が充分に取れない場合があります。
時間の管理がしっかりできる子は良いのですが、それが難しく苦労している子もいます。
息子の場合は、苦労しているようでした。部活をやらずに勉強に専念するという道でも、良かったのかもしれません。
ただ、部活動をやることでさまざまなことを経験し、心の成長に繋がったとも思います。
部活動をやって良かったこと
部活動をやって良かったことは?
- 仲間ができる
- 根性、精神力が身につく
- 体が鍛えられる(運動部)
仲間が出来たり、精神力や体を鍛えることができるのは、やはりメリットだと思います。
部活動をやって大変だったこと
部活動をやって大変だったことは?
- 時間がなくなる
- 精神的に追い詰められることがある
勉強をしなければいけないのに疲れて眠ってしまったり、ストレスにさらされるのは大変だと思います。
ですが、それを解決しようとして努力することは、子供にとっては無駄ではないと思います。
最後に
中学時の部活動があまりに大変だったので、息子は高校では部活に入らず、のんびりとした日々を過ごしています。最近では、アルバイトをするようになって、社会の厳しさを少し感じているようです。
子供の成長過程で、さまざまなことを経験し、チャレンジするのはプラスになります。
一方で、学校の先生は、働きすぎで過労死ラインにいると耳にしたことがあります。部活動の顧問ともなれば、土日返上で休みもありませんでした。
昨今では、文部科学省から、部活動の休みを増やすように通達があり、改善の兆しが見えつつあります。
部活動のあり方や親の関わり方も含めて、双方に負担のないように改善されるといいですね。
部活動の問題について書かれた本のご紹介
部活動の問題について書かれた本『ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う』(東洋館出版社/内田良)をご紹介します。
興味のある方は、ぜひお読みください。
内容(「BOOK」データベースより)「自主的、自発的な参加」に基づく、教育課程外の制度である部活動。しかし、生徒の全員加入が強制され、土日も行うケースは珍しくない。教師も全員顧問制が敷かれ、サービス残業で従事する学校は多い。エビデンスで見る部活動のリアルとは?強制と過熱化から脱却するためには?部活動問題の第一人者、渾身の一冊!週に3日2時間!土日は禁止!「ゆとり部活動」のすすめ。
Amazonより引用
小食・偏食・牛乳嫌い、スポーツ好きのお子様に!成長期サプリを1,980円で。>>詳しくはこちら